2008-01-01から1年間の記事一覧
さびしさを持ち寄って火にくべている照らすためじゃなく煙に巻くため
061:@その文字を猫の声と呼ぶ国がある越えてゆけ@電子の波を062:浅金曜日午後二時半にお茶会を「ウインズ浅草」夢のあとさき063:スリッパ顔だけを覗かせて二人かくれてる子ネズミみたいだねスリッパ064:可憐許されているものだけがそこにいて君がその…
見上げれば高き窓ひかる踊り場で降りそそぐもの緑まぶたに
森の呼吸(いき)国道なんて名ばかりだヘッドライトを消していますぐ
爪先はどこまでも冷え何ひとつ残さぬための鬼火分籍
eメール、「電子メール」と言う人の、律儀さを写し取るようにメモ。
音楽が鳴る鳴っているこの草原を踊るように駆け抜けよ足首
冷蔵庫うら側に葱が落ちている呼吸しているひそやかに夜
ぬぐってもぬぐってもなお凍り付くひとりごと白く霧氷にも似て
春浅く君はるか夢は降りしきるまだ返せない『眩暈』カネッティ
許されているものだけがそこにいて君がその身にまとう可憐さ
顔だけを覗かせて二人かくれてる子ネズミみたいだねスリッパ
金曜日午後二時半にお茶会を「ウインズ浅草」夢のあとさき
その文字を猫の声と呼ぶ国がある越えてゆけ@電子の波を
051:熊誰ひとり犬さえもいない白昼の夢その奥で眠る穴熊052:考思考してしこうしてそう志向して君に恋していると認める053:キヨスクささやきは焼き付いて消えることがないキヨスク裏の電話機になお054:笛恋着の午後地の果てに霧笛鳴るあなたが眠る海は深…
湿原を遠回りして君遠く野アザミ吾亦紅女郎花
潤沢なときに小分けに保存する冷凍ごはんのように気持ちを
屍が近付いて来る真っ直ぐにソフト帽の陰表情は無い
呼んでいる声が聞こえる明け方にかき合わせているパジャマの襟を
煩悩の犬かたわらに仮寝して夢を見るいつか狼になる
恋着の午後地の果てに霧笛鳴るあなたが眠る海は深くて
簡単に押し潰される親指でそれほどまでに乾燥している
ささやきは焼き付いて消えることがないキヨスク裏の電話機になお
思考してしこうしてそう志向して君に恋していると認める
誰ひとり犬さえもいない白昼の夢その奥で眠る穴熊
041:存在存在が耐えられぬほどに軽ければ飛べるかも何もかもを忘れて042:鱗いまは無き熱の片鱗くちびるのおもてに残る薔薇に似ている043:宝くじ亡霊は佇み宝くじを買う人を見ている数寄屋橋にて044:鈴何度でも鳴らす呼び鈴きれぎれに祭囃子の遠ざかりゆ…
結節に触れ指先が立ちどまる君が妖精である確率
街灯は静かに凍り夜は更けて裂いた布しろく結ぶ婚礼
伝票を切ります設備機材費で断じて業務委託費じゃない
炎天に飛行機の音(ね)の轟きて面を上げて裂けよひまわり