2008-01-01から1年間の記事一覧
ひとまわり大きな秘密そこからは見えるだろうか凧に眼を書く
土曜日の昼下がり。ピアノはきらい。自転車のかご。飛び跳ねて。楽譜。
亡霊は佇み宝くじを買う人を見ている数寄屋橋にて
何度でも鳴らす呼び鈴きれぎれに祭囃子の遠ざかりゆく
いまは無き熱の片鱗くちびるのおもてに残る薔薇に似ている
存在が耐えられぬほどに軽ければ飛べるかも何もかもを忘れて
031:忍懸垂はできそうもない試みに指をかければ忍び返しが032:ルージュ口紅はひかないすぐに落ちるから口ずさむ「ルージュ」途切れ途切れに033:すいか冷蔵庫すいかは徐々に膨らんですべてを飲み込み寿命を終える034:岡岡崎に家族は集い遠ざかり貴族がい…
花紅く小さき鉢の粘液が虫捕らえおり夏がまた来る
家出するならここに住む。田中荘。線路沿い青くあじさい。王子。
雅なるひと美しき波を見ゆ意志のみ有りて何の因果か
「まるで船に酔ったかのよう」内側に小さな重しを抱いて娘は
ロータリー陽炎に裂けゆらめいて2CVきらり夢かうつつか
薄もやに手招くようなそぶりして「ごらん私を」過去艶然と
岡崎に家族は集い遠ざかり貴族がいるとかいないとか言う
冷蔵庫すいかは徐々に膨らんですべてを飲み込み寿命を終える
口紅はひかないすぐに落ちるから口ずさむ「ルージュ*1」途切れ途切れに *1:http://www.miyuki-lab.jp/disco/lyric/ba040.shtml
懸垂はできそうもない試みに指をかければ忍び返しが
021:サッカーゆらゆらと母は日射しに溶けてゆくワンピース青きシアーサッカー022:低低空を飛んで見逃さないように君の棺が運ばれてゆく023:用紙常套句みだれつけいる隙も無くレポート用紙の白そして白024:岸まるで岸壁を歩いているようだ虚空右手が自由…
たちのぼる湯気を気配と理解する。「誰かいる」ただそれだけのこと。
取り扱い注意のしるし仕込み杖 <上に向けると花が咲きます!>
双方が両耳もとで囁きぬ 「供述なさい思うがままに」
清らかさ求め駆り立てられるよに消毒かさね残る空白
こんなにも隔たってふたり神さまの気まぐれゆらり塩基配列
天窓のある部屋でした雪あられ音がしましたぱちりぱちりと
まるで岸壁を歩いているようだ虚空右手が自由に触れる
常套句みだれつけいる隙も無くレポート用紙の白そして白
低空を飛んで見逃さないように君の棺が運ばれてゆく
011:除その人はおそらく白い服を着るしるしはすべて取り除かれて012:ダイヤ四本の手を強くただ結び合いダイヤは凍る移ろいもせず013:優この星の最後の二人になりましただから踊ってせめて優雅に014:泉いまだけは曇らずにいて一対の泉は朝の光を浴びて015…
春深く六畳間にただしんとしてあるじのいない鳩時計なく
ゆらゆらと母は日射しに溶けてゆくワンピース青きシアーサッカー