021から030まで

021:サッカー
ゆらゆらと母は日射しに溶けてゆくワンピース青きシアーサッカー

022:低
低空を飛んで見逃さないように君の棺が運ばれてゆく

023:用紙
常套句みだれつけいる隙も無くレポート用紙の白そして白

024:岸
まるで岸壁を歩いているようだ虚空右手が自由に触れる

025:あられ
天窓のある部屋でした雪あられ音がしましたぱちりぱちりと

026:基
こんなにも隔たってふたり神さまの気まぐれゆらり塩基配列

027:消毒
清らかさ求め駆り立てられるよに消毒かさね残る空白

028:供
双方が両耳もとで囁きぬ 「供述なさい思うがままに」

029:杖
取り扱い注意のしるし仕込み杖 <上に向けると花が咲きます!>

030:湯気
たちのぼる湯気を気配と理解する。「誰かいる」ただそれだけのこと。