011から020まで

011:除
その人はおそらく白い服を着るしるしはすべて取り除かれて

012:ダイヤ
四本の手を強くただ結び合いダイヤは凍る移ろいもせず

013:優
この星の最後の二人になりましただから踊ってせめて優雅に

014:泉
いまだけは曇らずにいて一対の泉は朝の光を浴びて

015:アジア
「君は誰?」寄りかかるただ鉄棒に閉ざすくちびるアジアの娘

016:%
ほの暗く数%石の散る意志その中に業という名の

017:頭
「石ですか?」「いえ頭です」「ではそこに落ちているのは」「あれは星です」

018:集
剥製を集めて動かないように音を立てないように紛れて

019:豆腐
真四角の部屋夕方が遠くなる手のひらの上でお豆腐を切る

020:鳩
春深く六畳間にただしんとしてあるじのいない鳩時計なく